はじめに
「もじ鉄探訪」シリーズでは、駅名標をはじめとした鉄道に関する看板・サイン・文字などを紹介していきます。なるべく沢山の看板を撮影するよう努めていますが、漏れや写真の傾きなどありますので、ご了承ください。
駅概要
近鉄大阪線の伊賀神戸駅と、JR関西本線の伊賀上野駅を結ぶ伊賀線の中核駅です。駅名にもなっている上野市は、2004年に周辺町村と合併して伊賀市となり、消滅した市名ですが、特に改称の動きもなく現在に至っています。
駅北側には伊賀上野城がそびえ、城下町を形成しています。
(画像0・ホーム伊賀上野寄りから車庫を望む)
隣接して車庫があり、運行上の拠点になっています。2007年10月に近鉄から経営分離された関係で近鉄時代のサインや、類似したサインが見られます。
駅舎
駅入口看板
(画像1)
早速適当な角度から撮った写真ですみません。忍者の里であることを印象付けるサイン。正式名称の「上野市」は隅に追いやられていますが、駅名愛称付与前までは「忍者市駅」のポジションにあった模様です。
標準の駅入口サイン(画像2)は確か設置されていなかった記憶。
(画像2)
運賃表
(画像3)
フォントは、和文・欧文ともにフォントメーカー・イワタの「イワタUD丸ゴシック」が使われています。なお近鉄では角のある「イワタUDゴシック」を使っています。
有人の窓口もあり、そちらでは近鉄特急のきっぷも取り扱っていました。
駅長室
(画像4)
謎の文字は確か「忍者文字」だった気がします。間違っていたらすみません。
出口(臨時改札)
(画像5)
駅舎に隣接して臨時改札があります。赤地の出口サインって珍しい気がします。
駅舎内に「入口」のサインもありましたが、撮影していません。
(画像6)
お手洗いのサインを中心に、近鉄時代のサインがそのまま残っています。
現行のサインシステムも近鉄サインの流れを汲んだデザインになっています。
ホーム
番線方向標・方面案内
(画像7)
ほぼ近鉄のそれ(画像7-1)と瓜二つです。フォントと色遣いの他に異なる点と言えば、のりば番号が白抜き文字かそうでないか位でしょうか。
(画像8)
画像8は、構内踏切を渡った線路と平行な位置に設置されています。
近鉄は1世代前のサインまで駅名のローマ字表記は大文字で表記していましたが、伊賀鉄道においてはこのルールが今も適用されています。のりば番号はおそらく「Helvetica」が使われています。
(画像9)
(画像10)
当駅のみ柱に取り付けられた縦型の方面案内があります。
しかもフォントがイワタUDゴシック。近鉄時代の末期に取り付けられたのでしょうか?
駅名標
(画像11)
自駅名・隣の駅名ともに漢字主体の駅名標です。
ライン内にローマ字の駅名標記が入らないこと、隣駅はその存在を矢印ではなく丸印で示し、駅名を漢字+ひらがなで示す点に近鉄との差異が見られます。
(画像12)
構内踏切を渡ったところに、手裏剣を模した駅名標(撮影スポットに近いかも)があります。
フォントは忍者市駅が昭和書体の「陽炎書体」、それ以外の和文が「新ゴ」で、欧文が「Helvetica」です。陽炎書体はMORISAWA PASSPORTにも入っています。
余談ですが、陽炎書体は「鬼滅の刃」でも使われていたらしく(アニメ未試聴)、2021年10月31日まで陽炎書体含めた3書体が5,500円という超・超破格のお値段で販売しています。企業の回し者ではありませんが、紹介します↓
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縦型駅名標
(画像13)
アクリル板でこしらえた縦型駅名標がありました。
先ほどの縦型方面案内標と同じく、フォントはイワタUDゴシックです。
(画像14)
上野市駅にあったか忘れてしまいましたが、伊賀鉄道各駅には、ラミネートされた手作り感あふれる駅名標が設置されています。ちなみにイラストは伊賀鉄道マスコットキャラクターの「ふくにん」です。ラッピング電車も走っています。
(2021-11-14追記)伊賀上野寄りにあります。
周辺案内
(画像15)
ホーム伊賀上野寄りにあります。近鉄の駅でよく見る筐体です。記載内容が古くなったのか、もとの表示をペンキで潰して上からラミネート張りの案内を貼っています。
<余談・他駅の周辺案内だったもの>
(画像16・猪田道1番線)
(画像17・茅町)
他の駅も上野市駅同様の措置を施した周辺案内が見られました。意図的なものなのか定かではありませんが、既に案内が剥がれて痛々しいテープ痕を晒すだけで、残念な印象を受けます。白いペンキでもう1度塗りつぶして、上から忍者とか「ふくにん」のイラストでも描いたらいいかもしれませんね。
イメージとしては画像17-1みたいなイラスト+駅名表示のような感じ。手間と多少費用がかかりますが、駅ごとに独自性出ていい取り組みになるんじゃないかな~と思います。
発車案内標(字幕回転式)
(画像18)
(画像19・裏側)
伊賀鉄道にも発車標が、しかも絶滅危惧種の字幕回転式があるとは。思わぬサプライズに興奮しました。
銘板は確認できなかったので何年製か不明ですが、大変貴重なものに変わりはありません。訪問時は不調だったのか稼働していませんでしたが、復活に期待したいです。
稼働時の様子がCBCラジオのブログページに移りこんでいたのでご紹介します。
時刻表
(画像20・伊賀神戸方面)
(画像21・伊賀上野方面)
近鉄時代のレイアウトをそのまま引き継いでいます。
JR関西線・近鉄電車との接続を考慮したダイヤになっており、伊賀上野方面はJR線の接続列車も記載されています。
あとがき
と、言うような感じで「もじ鉄探訪」シリーズを今後も連載していきます。
規模によっては駅別ではなく鉄道社線全体で取り上げるかもしれません。
どうぞよろしくお願いします。
2021-9月訪問
2021-10-12公開